アレッポの石鹸製造風景動画

●アレッポの石鹸が出来上がるまで●

2015年、アレッポの石鹸職人たちがトルコに避難後まもなくして撮影した動画です。
良質な原料と最低限必要な道具と技術が避難先での再出発を可能にし、この石鹸のお陰で職人たちは立ち直ることが出来ました。
この頃10代だった見習い職人も今は立派な職人に成長しています。

※当時、石鹸に必要な用具を急いで揃え作業しましたが、作業着の準備が出来ませんでした。現在は作業服を着用し製造しています。

-製造工程の簡単な流れ-
原料のオリーブオイル、ローレルオイル、苛性ソーダを投入し混合(釜焚き)

型に流し込み、人が乗っても形が崩れない程度に固まってきたらカッティング
※体重の軽めの職人が選ばれます

工場名が入ったスタンプの刻印作業
このスタンプがどこの工場で作られたかを区別しています
※この時はノーマルタイプの刻印作業です

自然乾燥中の積み上げられた石鹸
※この状態で1年から2年乾燥させ、石鹸の色が徐々に茶色に変わります

バラカートとクロスロードトレーディングの歩み

●バラカートとクロスロードトレーディングの歩み●

私(ガザール)は実家のダマスカスに居た頃、日本の大使館や日本の企業などのコーディネートの仕事に就いていましたが、たくさんの事が学べる良い機会となりました。
もともとシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋になるような仕事をしたかったので、直接日本の方々と触れ合える仕事がしたいと考えていました。
また日本に住んでいた頃、シリアに関わる日本人学生やNGOの活動家からアレッポの石鹸は日本人に評判がいいと聞き、特産品の少ないシリアにとってアレッポの石鹸が受け入れられている事はシリアの文化にも興味を持ってもらうチャンスではと考え、市民レベルでの交流につながると思いアレッポの石鹸を日本で販売する事から始めてみようと考えました。

1997年、取引先を決めるためスーク(市場)に売られているアレッポ石鹸を買い、品質の良い工場を選んでいきました。
幾つかのアレッポの石鹸工場に連絡を取り工場を見せてもらい、バラカート社に決めました。
また、地中海に程近いカサブにはカサブ石鹸のスティーブ工場があり、この2社と契約しました。
下記はその時の写真(カメラが古くてすみません)左 ヤヒア・バラカート 中央 当社のガザール代表 右 ワリード・バラカート

アレッポの石鹸Paris2 2000年、会社を札幌市に設立。自分の足で販売先を探して回り販路を地道に広げていきました。
2年後には少しずつ軌道に乗り始め、2002年に赤坂で行われたJETRO主催のシリア・ヨルダンの展示会への出店にお声掛け頂き、「アレッポの石鹸」と「カサブ石鹸」をシリアの特産品として紹介するという貴重な体験をしました。
下記はその時の写真(カメラが古くてすみません) アレッポの石鹸Jetro また、同年にデパートや薬局、自然食品店の販売先が大きく増えたことから関東進出のため会社を千葉県に移転。

その後はアースガーデンやエコプロダクツ等のイベントへの参加。
下記の写真は2004エコプロダクツの時の写真。 アレッポの石鹸エコプロダクツ

時には取材を受ける事もあり、少しずつではありましたが成長していきました。
下記は取材を受けた記事です。

日経ニュース
2014年から当社と取引先のバラカート社、スティーブ氏にとって困難と激動の時期です。
アレッポ市が激しい攻撃をされ、多くの一般市民は犠牲となり、または難民となりアレッポから避難する市民達が増加していきました。日本でも毎日のようにアレッポの惨状が報道されるようになっていました。
現地との連絡が途絶えがちになり、石鹸の生産が出来なくなるのではないかとの心配から、バラカート社にできるだけの量の石鹸を作って欲しいと依頼、2015年には大量の石鹸を日本に輸入しました。その直後、石鹸工場近くにタル弾が落とされ工場に被害が出ました。この時すでにスティーブ氏は石鹸の製造を止め家族と共にアメリカに向け出国、避難。これを機にカサブ石鹸は千葉県の当社にて製造する事となりました。
そして、バラカート社の皆さんはアレッポの石鹸職人と一緒にトルコに避難し、難民となりました。
難民となったバラカートさんは家族が一緒に住める民家を借り、トルコでの生活を始めました。
アレッポでの惨状により希望を持てず石鹸の生産はもはや出来ない状態でした。
何か月も連絡が取れずにいたので連絡がきたときは安堵しました。そして日本のお客さんが石鹸を欲しがっている、この石鹸が無くなると困る人がたくさんいる、私もサポートするので頑張ってくれないかと伝えました。
日本では、激しいアレッポへの攻撃による惨状が毎日のように報道され、アレッポを心配する声や石鹸が日本から無くなるのではという声が聞かれるようになっていました。
そんな中、当社もNHK総合とBSから取材を受けました。
下記は報道された時の写真
NHK2アレッポの石鹸
NHK2アレッポの石鹸2
NHK BS 2016年に世界のトップニュースの取材を受けた時の写真。 アレッポの石鹸PS1 アレッポの石鹸PS12 アレッポの石鹸PS13
アレッポ情勢が報道されることにより、リピーターのお客様だけでなく石鹸の事を知らなかった方々までもがアレッポの石鹸を買い求めるようになり、当社の1年分の在庫が約2週間で無くなる勢いでした。
しかし、バラカートさんがトルコに避難する前にありったけの石鹸を日本に出荷してくれた事が功を奏しました。
トルコに避難したバラカートさんは1年がかりで見つけた石鹸の廃工場を借り、試作品作りを始めたとの知らせは、石鹸がまた日本に入ってくるという喜びもありましたが、彼らが希望を持って前向きに動き出した事が家族の心配や悩みを持っていた私自身が勇気を貰いました。
石鹸の在庫はギリギリの状況でしたがトルコで製造したアレッポの石鹸第1号が何とか日本に届き、当社は欠品という事態を回避できました。

アレッポで生産していれば掛からなかった経費がこのような事態になった事でずいぶんと掛かりました。
トルコはアレッポよりも物価が高いうえに賃貸の工場では何をするにもトルコ語の通訳が必要なのでバラカートさんのストレスは計り知れません。
当社が出来る事はこの負担を当社が負う事で何とか石鹸を作り続けられるよう、またより多くの日本の皆さんに難民となってアレッポの石鹸を作り続けている職人達の事を知ってもらうためのサポートを続ける事でした。
そのためにも、品質を落とさない事、値上げをしない事、ネットでの販売に力を入れ幅広く認知してもらう努力を職人たち側と日本の当社側で行ってきました。

前にも書きましたが、私はシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋なるような仕事をしたいと思っています。
石鹸を売る事で単にモノとお金のやり取りだけではなく、シリアの石鹸職人の思いや今置かれている状況も伝えたい。また、日本で石鹸を使ってくれている皆さんの思いも石鹸職人に伝える事が出来ている事を嬉しく思います。

時折、心ないコメントを見つける度に悲しくなる事もあります。ですが、日本から遠く離れ今も困難に立ち向かっている難民達を思うと小さな悩みに過ぎません。これからもあきらめずに頑張ろうと思っています。
何よりアレッポの石鹸職人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。そしてバラカートさんの商品を認めて下さった日本のお客様にも心より感謝しています。

有限会社クロスロードトレーディング
代表取締役 ガザール 勇

アレッポの石鹸職人の労働条件


トルコでのアレッポの石鹸職人の労働条件

アレッポの石鹸Paris2

アレッポから避難し、2015年よりバラカート社はトルコでの製造を本格化しました。
その時はトルコ語が話せる通訳を雇い、工場設立に伴う許可申請など簡単なことではありませんでした。
シリアに比べ物価が高く工場設立の経費も大きな負担でした。
しかし、石鹸作りを再開したいという強い思いで、トルコでの複雑で諸手続きは大変ではありましたが、「きちんと努力すれば正当な結果が得られることが嬉しかった」とバラカート社代表は話します。
以前はビジネスに必要なあらゆる手続きには独特な経費(コネ等)が必要でした。  この経費が高く大きな負担でした。
しかし、トルコでは事務的な手数料には明細があり、多くの民主的な国であれば当然なことです。
理不尽な理由から受付けないということもありません。

トルコでは難民であったとしてもトルコ市民とほぼ同等な権利を与えてくれています。
また、EUを手本とし、労働者の権利や雇用側の義務を課されてもいます。
中でも労働者に対する社会保険の加入の義務はシリア人にとっては驚きです。
初めて触れる民主的な国での義務と権利にはお金が掛かりますが、広く平等に扱われることを納得し受け入れて操業しています。

以前に比べ嬉しいのは労働者に良い賃金を支払えること、自分達にとっても有意義にその収入を使えること、そして難民キャンプにいるシリア人のために自分達の働いたお金を寄付できることに何より誇りが持てると話します。

特定の者だけが得をするような不平等を長い間見せられてきた職人達は、このような当たり前のことでも自由で幸せなことだと感じています。

熟成と色について

アレッポの石鹸の熟成と色
上)当社の石鹸:7ppm  下)色の濃い石鹸:69ppm

お客様から当社の石鹸が熟成していないのでは、という問い合わせがありその疑問解消のため、下記にまとめました。

外部検査機関による固形石鹸の一般検査一般的な固形石鹸を検査では重金属の項目があります。

上)当社の石鹸:7ppm  下)色の濃い石鹸:69ppm

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石鹸工場視察の目的

アレッポの石鹸の工場視察

弊社工場がアレッポで操業し内戦が始まってからは、石鹸工場の視察が行えていませんでした。

現在トルコに工場が移転してからは年に2回、石鹸作りのシーズン(12月~2月頃) と夏の石鹸の乾燥時期に視察に行くことにしています。この視察により石鹸への私の知識が深まるだけでなく、弊社の色々な要望を工場側に理解してもらう良い機会です。

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