アレッポ市について

アレッポ市

アレッポ市は、シリア北部に位置する歴史的な都市であり、世界最古の人類定住地の1つといわれています。 

シリアの第二の都市、又はシリアの産業の都市、アラビア語では「新鮮な乳」の意味の「ハラブ」と呼ぶ。 

アレッポ市は、紀元前2千年紀頃から人類が定住していたことがわかっており、歴史的に重要な交易路の交差点に位置することから、数多くの文化や宗教が交流を深め、発展してきました。そのため、アレッポ市には多くの文化的な遺産や建築物が残されています。 

代表的な遺産として「アレッポ城」があります。紀元12世紀に十字軍の侵攻に備えるという理由で建設されました。内戦以前はイベントやコンサートにも使用されていたりと、観光客や地域の住民にも愛されています。 

アレッポの城

アレッポ市はイスラム教の創始者であるムハンマドが亡くなった後、イスラム教の指導者であるカリフ(アラビア語で「後継者」の意)によって支配され、この時期には多くのモスクやマドラサ(イスラム教の学校)が建設されました。11世紀には、アイユーブ朝の将軍サラーフ・アッ=ディーンがアレッポ市を征服し、この時期に多くの城壁や要塞が建設されました。 

16世紀には、オスマン帝国によって支配されることとなり、市内には多くのカラヴァンサライ(宿泊施設)やハン(商業施設)が建設されました。19世紀には、アレッポ市はシリア地方の中心地として発展し、多くのユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が暮らしていました。 

しかし、2011年にシリア内戦が勃発し、アレッポ市も激しい戦闘の舞台となりました。市内の多くの建物や歴史的な遺産が破壊され、多くの住民が命を落とし、避難生活を余儀なくされています。