クロスロードの関係

アレッポの石鹸バラカート

トップクラスの品質を目指して

私(ガザール)は実家のダマスカスに居た頃、日本の大使館や日本の企業などのコーディネートの仕事に就いていましたが、たくさんの事が学べる良い機会となりました。
もともとシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋になるような仕事をしたかったので、直接日本の方々と触れ合える仕事がしたいと考えていました。
また日本に住んでいた頃、シリアに関わる日本人学生やNGOの活動家からアレッポの石鹸は日本人に評判がいいと聞き、

特産品の少ないシリアにとってアレッポの石鹸が受け入れられている事はシリアの文化にも興味を持ってもらうチャンスではと考え、市民レベルでの交流につながると思いアレッポの石鹸を日本で販売する事から始めてみようと考えました。

1997年、取引先を決めるためスーク(市場)に売られているアレッポ石鹸を買い、品質の良い工場を選んでいきました。
幾つかのアレッポの石鹸工場に連絡を取り工場を見せてもらい、バラカート社に決めました。 また、地中海に程近いカサブにはカサブ石鹸のスティーブ工場があり、この2社と契約しました。

その後も釜炊き製法とコールドプロセス製法の両方の研究を進め、2015年にはコールドプロセス製法によるカサブ石鹸の生産を日本で実現することが出来ました。
その時の写真(カメラが古くてすみません)左 ヤヒア・バラカート 中央 当社のガザール代表 右 ワリード・バラカート

日本だけの商品
現地では、石鹸の種類はノーマルタイプが主流です。
品質の良いローレルオイルはとても希少なため、製造に必要な量の確保が重要となります。
ですから、ローレルオイルの含有量により石鹸の価格が左右されています。
エキストラタイプは約40%のローレルオイルを使用しておりとても贅沢な石鹸です。
そして、エキストラタイプは日本のマーケットだけのために製造しております。
アレッポの石鹸の愛用者が多く、高品質をお求めになるお客様のために製造しております。


当社は2000年に設立。
シリア生まれである代表が、直接現地で仕入れを行いアレッポの石鹸の輸入販売を開始。
現在は、アレッポの石鹸の輸入販売以外にカサブ石鹸シリーズを日本で製造販売も行う。
日本のお客様満足頂けるよう、高品質でリーズナブルな石鹸の提供に努めております。
当社のブランドを守るため、全商品ロゴ付きで商標登録済みです。

アレポの石鹸職人から

アレッポの石鹸フェアトレード

現地の職人とのコミュニケ―ションが重要

石鹸職人や作業員達とは常にコミュニケーションを取っています。
中間業者は一切通しておりません。
毎年の製造量や原料の仕入れ値、仕入量、ラッピング資材等、どんな小さなことでも相談し合える関係です。
それは、同じシリア人で言葉や習慣などの壁がないことが一番の理由です。
さらに、一年に1~2回工場を視察することで色々な微調整ができることです。
これらの調整は、最終的には日本での販売価格に反映することもあります。

職人達との良いコミュニケーションは品質とリーズナブルな価格の維持のためには重要なのです。


日本というマーケット
アレッポの石鹸の品質は、工場により様々。
国内や近隣の国向けとヨーロッパ向けに販売する場合は原料のグレードや仕上げ、ラッピング等どうしても差が出てきます。
一番厳しいマーケットと言えば実は日本なのです。
その日本の皆様にお届けできるよう当社の代表は、原料の買い付け、製造、仕上げ、検品に至るまで、 時には職人や作業員達と一緒に作業を行ってきました。
製造段階から積極的に関わることで、工場側に日本というマーケットを理解してもらうことが目的です。


ジェトロ2002年

2000年、会社を札幌市に設立。自分の足で販売先を探して回り販路を地道に広げていきました。
2年後には少しずつ軌道に乗り始め、2002年に赤坂で行われたJETRO主催のシリア・ヨルダンの展示会への出店にお声掛け頂き、「アレッポの石鹸」と「カサブ石鹸」をシリアの特産品として紹介するという貴重な体験をしました。
その時の写真(カメラが古くてすみません)


また、同年にデパートや薬局、自然食品店の販売先が大きく増えたことから関東進出のため会社を千葉県に移転。

その後はアースガーデンやエコプロダクツ等のイベントへの参加。
写真は2004エコプロダクツの時の写真。

エコープロダクト
日経ニュース

時には取材を受ける事もあり、少しずつではありましたが成長していきました。
記事は取材を受けた記事です。


シリアの記憶

2014年から当社と取引先のバラカート社、スティーブ氏にとって困難と激動の時期です。
アレッポ市が激しい攻撃をされ、多くの一般市民は犠牲となり、または難民となりアレッポから避難する市民達が増加していきました。日本でも毎日のようにアレッポの惨状が報道されるようになっていました。
現地との連絡が途絶えがちになり、石鹸の生産が出来なくなるのではないかとの心配から、バラカート社にできるだけの量の石鹸を作って欲しいと依頼、2015年には大量の石鹸を日本に輸入しました。その直後、石鹸工場近くにタル弾が落とされ工場に被害が出ました。この時すでにスティーブ氏は石鹸の製造を止め家族と共にアメリカに向け出国、避難。これを機にカサブ石鹸は千葉県の当社にて製造する事となりました。

2017シリア

そして、バラカート社の皆さんはアレッポの石鹸職人と一緒にトルコに避難し、難民となりました。
難民となったバラカートさんは家族が一緒に住める民家を借り、トルコでの生活を始めました。
アレッポでの惨状により希望を持てず石鹸の生産はもはや出来ない状態でした。
何か月も連絡が取れずにいたので連絡がきたときは安堵しました。そして日本のお客さんが石鹸を欲しがっている、この石鹸が無くなると困る人がたくさんいる、私もサポートするので頑張ってくれないかと伝えました。
日本では、激しいアレッポへの攻撃による惨状が毎日のように報道され、アレッポを心配する声や石鹸が日本から無くなるのではという声が聞かれるようになっていました。


そんな中、当社もNHK総合とBSから取材を受けました。 下記は報道された時の写真

nhk シリア
NHKシリア

NHK BS 2016年に世界のトップニュースの取材を受けた時の写真。

NHK PSシリア
NHK PSシリア内戦

アレッポ情勢が報道されることにより、リピーターのお客様だけでなく石鹸の事を知らなかった方々までもがアレッポの石鹸を買い求めるようになり、当社の1年分の在庫が約2週間で無くなる勢いでした。
しかし、バラカートさんがトルコに避難する前にありったけの石鹸を日本に出荷してくれた事が功を奏しました。
トルコに避難したバラカートさんは1年がかりで見つけた石鹸の廃工場を借り、試作品作りを始めたとの知らせは、石鹸がまた日本に入ってくるという喜びもありましたが、彼らが希望を持って前向きに動き出した事が家族の心配や悩みを持っていた私自身が勇気を貰いました。
石鹸の在庫はギリギリの状況でしたがトルコで製造したアレッポの石鹸第1号が何とか日本に届き、当社は欠品という事態を回避できました。

アレッポで生産していれば掛からなかった経費がこのような事態になった事でずいぶんと掛かりました。
トルコはアレッポよりも物価が高いうえに賃貸の工場では何をするにもトルコ語の通訳が必要なのでバラカートさんのストレスは計り知れません。
当社が出来る事はこの負担を当社が負う事で何とか石鹸を作り続けられるよう、またより多くの日本の皆さんに難民となってアレッポの石鹸を作り続けている職人達の事を知ってもらうためのサポートを続ける事でした。
そのためにも、品質を落とさない事、値上げをしない事、ネットでの販売に力を入れ幅広く認知してもらう努力を職人たち側と日本の当社側で行ってきました。


クロスロードトレーディング

前にも書きましたが、私はシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋なるような仕事をしたいと思っています。
石鹸を売る事で単にモノとお金のやり取りだけではなく、シリアの石鹸職人の思いや今置かれている状況も伝えたい。また、日本で石鹸を使ってくれている皆さんの思いも石鹸職人に伝える事が出来ている事を嬉しく思います。

時折、心ないコメントを見つける度に悲しくなる事もあります。ですが、日本から遠く離れ今も困難に立ち向かっている難民達を思うと小さな悩みに過ぎません。これからもあきらめずに頑張ろうと思っています。

何よりアレッポの石鹸職人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。そしてバラカートさんの商品を認めて下さった日本のお客様にも心より感謝しています。

有限会社クロスロードトレーディング
代表取締役 ガザール 勇


アレッポの城
アレッポについて

アレッポ市について アレッポ市は、シリア北部に位置する歴史的な都市であり、世界最古の人類定住地の1つといわれています。  シリアの第二の都市、又はシリアの産業の都市、アラビア語では「新鮮な乳」の意味の「ハラブ」 […]

続きを読む
アレッポの石鹸3点
アレッポの石鹸とは

アレッポの石鹸の歴史 シリアで作られてきたアレッポ石鹸の歴史は、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の生産プロセスが完全に理解されるずっと前の古代にさかのぼります。そして、伝統的な石鹸作りには、いつも何らかの形のアルカリが関与 […]

続きを読む
アレッポの石鹸のメーカー
バラカート社について

バラカート社について 1945年、社長のバラカート・ナデル氏がアレッポ市内にバラカート社としてアレッポの石鹸の工場を設立。原料にこだわり、高品質でありながらリーズナブルな価格を実現。2011年の生産量はシリア国内でトップ […]

続きを読む
アレッポの石鹸の使い方
石鹸の使い方【洗髪編、洗髪方法、シャンプー石鹸】

石鹸の使い方 カサブ石鹸の使い方とアレッポの石鹸の使い方は同じです。 洗顔編 石鹸を水もしくはぬるま湯で濡らし、石鹸をクルクル回すように泡立てます。よく泡立てたい場合は泡立てネットをお勧めしますが、少しへたり気味の泡でも […]

続きを読む
クロスロードトレーディング
会社概要

会社概要 コンセプト クロスロードトレーディングのコンセプトは「シンプルな素材とわかりやすい効果」 素材である原料はその土地の気候に合った植物や作物であることその土地で昔から人々に愛用されてきたものであるかそしてそれらは […]

続きを読む