実は私の兄弟の子供たち二人は、今ドイツにいます。
21才と22才の青年ですが約1年半前、シリアからトルコに渡りボートでギリシャ、そこからは徒歩やバス、列車を乗り継いでドイツに辿り着きました。この旅が甥っ子にとって初めての海外渡航経験でした。別々の時期にドイツに向かったため親戚同士といっても彼らは違う州に住んでいます。
昨年夏に私と甥っ子たちと私は、7年ぶりにフランクフルトで再会することができました。私自身、7年間シリアに帰っていないためシリアの親戚に再会するのはこの時が初めてでした。二人とも元気そうで安心しました。
ドイツでの其々の暮らしぶりを聞き、とりあえず私も安心しました。
彼らは、難民数名との共同住居や生活費、ドイツ語の学習のサポートを与えられ、このとき二人はドイツ語の学校に毎日通学していました。
文化や宗教の違いからドイツ人と難民のトラブルが多いとニュースなどで知らされていましたが、彼らの話ではそのようなトラブルは多くないとのこと。しかしながら、難民という立場から差別的な対応を受けることも・・・ですが「贅沢は言っていられない。自分たちの身の安全が守られている今、遠くからシリアの家族を何とか支えられるよう努力するしかない」。
しかし一方で「シリアを離れて以来、自分たちの家族に会うことができないのがとても寂しく、再会が叶うのはいつになるかを考えるととても悲しくなる」と話す二人。
安心して生活が送ることができ、少しずつ将来のことを考えられる機会を与えてくれているドイツという国にシリア人として本当に感謝の気持ちで一杯です。
甥っ子たちとの再会から1年がたった今、嬉しいニュースと心配なニュースがあります。甥っ子の1人は難民申請が認められ1年間のビザが出ましたが、もう一人は認められませんでした。
認められないということは難民という身分すら与えてくれないわけで、シリアに戻れという意味です。
この結果に勿論納得できないため裁判やり直しの申請し、もう一度裁判を受ける予定です。ドイツの裁判所側も現在のシリアに戻ることは危険と判断し裁判のやり直しを認めてくれました。その結果はまだ出ていません。
難民認定されることを祈っています。
「一人ぼっちで孤独と不安からシリアを懐かしむ気持ちはあっても、戻りたいとは思わない。無理やり軍隊に入れられシリア人同士戦わなければならないという恐怖から解放され、このドイツで何とか自立することが一番の望み」、と二人は話しました。