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アレッポの石鹸職人から

過去に私たちは、アレッポやイドリブで非常に残酷なロシアの攻撃を受けました。
多くの市民が犠牲になり、命を守るためためトルコに難民として非難しどうにか生き延びてきました。
私たちは、ロシアの残酷な戦争のやり方を経験しウクライナの人々の悲しみを深く理解しおり、本当に心から応援しています。

今ウクライナでは、10年前シリアで行われた攻撃と同じやり方でロシアが侵攻してきています。
当時シリアでは国際的に禁止されている爆弾や化学兵器までも使用されました。
今ウクライナにもそのような兵器が使われるのではと危惧されています。
シリアの時も国際社会が声を上げたにも関わらず、結果、攻撃は止まず大量の避難民が国外に流出し、シリア国内でのロシアの目的を達成させたのです。人口の三分の一は国外に難民として流出、三分の一はシリア国内難民、残り三分の一はシリアに留まりロシアの支配下で弾圧を受け続けています。
現在の状況を見ると、残念ながらシリアの結果を考えると国際社会がいくら大きな声を上げ、ロシアに向けて制裁を加えてもウクライナ侵攻を止めることはできないのではと思ってしまいます。
ウクライナが救われるよう国際社会がこの侵攻を止めるような行動を示して欲しいです。
ウクライナだけではなく全世界が平和になるために。
アレッポの石鹸職人より

アレッポの石鹼職人から
アレッポの石鹼職人から

昨年末、とても嬉しいプレゼントを頂きました。
文渓堂さんより12月に出版された「SDGsを実現する2030年の仕事未来図」第4巻平和を作る仕事、開発援助・協力を進める仕事で弊社とバラカート社の事が取り上げられ、その本が完成し贈ってくれたのです。

「平和をつくる仕事」という大きなテーマで私共を取り上げてくださったことを大変光栄に思っております。

またこのことを現在トルコにて弊社が扱っている石鹸を製造している、バラカートさんに伝えたところ彼も非常に喜んでいました。
シリアが民主化運動による混乱に陥った時、彼らは平和を求めて難民という道を選びトルコに避難しました。

トルコに避難した直後は石鹸の製造など考えられない程心身ともに疲弊していました。
そんな彼らに向けて「バラカートさんが作るアレッポの石けんはたくさんの日本の皆さんに愛されている。」と伝えました。

製造再開の背中を押したのは、この日本の皆様からのメッセージと伝統あるアレッポの石けんを作り続けてきたことへの誇りでした。

弊社の活動を取り上げて頂いたことに感謝すると共に、これを励みに今後もバラカート社と二人三脚で頑張って参ります。

なお、文溪堂様の「SDGsを実現する2030年の仕事未来図」は全国の書店及びネット書店にてお買い求め頂けます。

SDGsを実現する2030年の仕事未来図4 https://common.bunkei.co.jp/books/4211.html">

アレッポのソープ OLIVE

「アレッポのソープ Olive」を昨年末の販売開始しから1年が経ちました。

原料にオリーブオイル100%使用。お求めやすいリーズナブル価格でお客様に高評価を頂いており心より感謝申し上げます。

安さの理由はメーカーからの直販であること。しかし、仕入れ値が安いわけではありません。

シリアに比べて物価が高いトルコでの生産はむしろ年々仕入れ値は上昇しています。値上げをせずに販売するため当社のあらゆる面での効率化を行い、高い利益を求めないことで日本での販売価格を低く抑えて参りました。

一人でも多くのお客様に選ばれ、そして次の生産量が増えることで難民の雇用を生み出すことに意義を感じ、これからもこの姿勢で販売を続けて参ります。

SDGs

昨今では多くの企業が持続可能な社会に向けて、どのようなことができるのか模索し取り組んでいます。弊社でも身近なところから貢献できるよう輸入の際に使用したダンボールを商品を固定するため部分的に活用したり、古紙を緩衝材として再利用しています。

下記の写真は再利用ダンボールをボックスに合わせてカットし、商品をラップで固定し梱包しています。ボックス内で商品が固定された状態でお客様にお届けしています。

これにより、緩衝材を可能な限り使用せず、ゴミを最小限に抑えるようにしています。

弊社のこうした取り組みが継続できていることは、お客様に感謝しなければいけない事だと考えています。始める前は一度使用した資材を再度お客様にお届けする際に活用することは失礼にあたってしまうのではないかと幾ばくかの抵抗があったからです。

しかしこうした取り組みをスタートして以来一度も再利用の段ボールや古紙を使用していることに対してのご不満は頂いておりません。

リユースやリサイクルなどの取り組みはお客様のご理解がなければ成立しない取り組みです。これを肝に免じて、今後とも持続可能な社会の実現に向けて小さなことからでも貢献できるよう尽力致します。

お客様のご要望により、アレッポのソープ(3等分カット済み)の商品を販売開始致しました。
【数量限定】

今年のラマダンの期間は4/25~5/23。

先日の土曜日の日没と共にラマダンが明けました。
クルアーム アントム ビヘイル!  皆さんが健康でありますように!  (新年の挨拶と同じです)
いつもだと約3~5日間は祝日となり親戚や友人を訪ねたりスーク(市場)で新しい服を買ったりと町全体がお祭りムードで賑わうのですが、今年のラマダン明けは新型コロナウィルスの影響でどの国も自粛ムード一色。電話やフェイスタイムでの挨拶が主流となっています。

日本だと毎日シリアの料理を用意するのは難しいのですが、輸入食材のスーパーだと時々そのハードルを下げてくれる食材を見つける時があります。
ファラーフェルミックスと小分けタイプのホンモスを見つけたので断食中に家で試してみました。

写真はある日の軽食として準備したものです。
フファラーフェルはファラーフェルミックスに水を加えて油で揚げ完成。
ホンモスは胡麻ペーストをプラスし混ぜ合わせ(コクが増します)、皿に盛りつけオリーブオイルをかけました。付け合わせにピクルス、パンを添えました。
庶民的で豪華さはありませんが、故郷を長く離れると豪華な肉料理よりはこのような質素な料理が食べたくなります。

5/25はやっと全国的に緊急事態宣言が解除の発表が出ましたね。
ラマダン明けと共に嬉しいニュースです。
改めて クルアーム アントム ビヘイル!  皆さんが健康でありますように!

アレッポの石鹸が出来上がるまで

2015年、アレッポの石鹸職人たちがトルコに避難後まもなくして撮影した動画です。
良質な原料と最低限必要な道具と技術が避難先での再出発を可能にし、この石鹸のお陰で職人たちは立ち直ることが出来ました。
この頃10代だった見習い職人も今は立派な職人に成長しています。

※当時、石鹸に必要な用具を急いで揃え作業しましたが、作業着の準備が出来ませんでした。現在は作業服を着用し製造しています。

-製造工程の簡単な流れ-
原料のオリーブオイル、ローレルオイル、苛性ソーダを投入し混合(釜焚き)

型に流し込み、人が乗っても形が崩れない程度に固まってきたらカッティング
※体重の軽めの職人が選ばれます

工場名が入ったスタンプの刻印作業
このスタンプがどこの工場で作られたかを区別しています
※この時はノーマルタイプの刻印作業です

自然乾燥中の積み上げられた石鹸
※この状態で1年から2年乾燥させ、石鹸の色が徐々に茶色に変わります

私(ガザール)は実家のダマスカスに居た頃、日本の大使館や日本の企業などのコーディネートの仕事に就いていましたが、たくさんの事が学べる良い機会となりました。
もともとシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋になるような仕事をしたかったので、直接日本の方々と触れ合える仕事がしたいと考えていました。
また日本に住んでいた頃、シリアに関わる日本人学生やNGOの活動家からアレッポの石鹸は日本人に評判がいいと聞き、特産品の少ないシリアにとってアレッポの石鹸が受け入れられている事はシリアの文化にも興味を持ってもらうチャンスではと考え、市民レベルでの交流につながると思いアレッポの石鹸を日本で販売する事から始めてみようと考えました。

1997年、取引先を決めるためスーク(市場)に売られているアレッポ石鹸を買い、品質の良い工場を選んでいきました。
幾つかのアレッポの石鹸工場に連絡を取り工場を見せてもらい、バラカート社に決めました。
また、地中海に程近いカサブにはカサブ石鹸のスティーブ工場があり、この2社と契約しました。
下記はその時の写真(カメラが古くてすみません)左 ヤヒア・バラカート 中央 当社のガザール代表 右 ワリード・バラカート

アレッポの石鹸職人から


2000年、会社を札幌市に設立。自分の足で販売先を探して回り販路を地道に広げていきました。
2年後には少しずつ軌道に乗り始め、2002年に赤坂で行われたJETRO主催のシリア・ヨルダンの展示会への出店にお声掛け頂き、「アレッポの石鹸」と「カサブ石鹸」をシリアの特産品として紹介するという貴重な体験をしました。
下記はその時の写真(カメラが古くてすみません)

アレッポの石鹸職人からジェトロ

また、同年にデパートや薬局、自然食品店の販売先が大きく増えたことから関東進出のため会社を千葉県に移転。

その後はアースガーデンやエコプロダクツ等のイベントへの参加。
下記の写真は2004エコプロダクツの時の写真。

アレッポの石鹸エコープロダクト

時には取材を受ける事もあり、少しずつではありましたが成長していきました。
下記は取材を受けた記事です。

アレッポの石鹸日経新聞

2014年から当社と取引先のバラカート社、スティーブ氏にとって困難と激動の時期です。
アレッポ市が激しい攻撃をされ、多くの一般市民は犠牲となり、または難民となりアレッポから避難する市民達が増加していきました。日本でも毎日のようにアレッポの惨状が報道されるようになっていました。
現地との連絡が途絶えがちになり、石鹸の生産が出来なくなるのではないかとの心配から、バラカート社にできるだけの量の石鹸を作って欲しいと依頼、2015年には大量の石鹸を日本に輸入しました。その直後、石鹸工場近くにタル弾が落とされ工場に被害が出ました。この時すでにスティーブ氏は石鹸の製造を止め家族と共にアメリカに向け出国、避難。これを機にカサブ石鹸は千葉県の当社にて製造する事となりました。
そして、バラカート社の皆さんはアレッポの石鹸職人と一緒にトルコに避難し、難民となりました。
難民となったバラカートさんは家族が一緒に住める民家を借り、トルコでの生活を始めました。
アレッポでの惨状により希望を持てず石鹸の生産はもはや出来ない状態でした。
何か月も連絡が取れずにいたので連絡がきたときは安堵しました。そして日本のお客さんが石鹸を欲しがっている、この石鹸が無くなると困る人がたくさんいる、私もサポートするので頑張ってくれないかと伝えました。
日本では、激しいアレッポへの攻撃による惨状が毎日のように報道され、アレッポを心配する声や石鹸が日本から無くなるのではという声が聞かれるようになっていました。
そんな中、当社もNHK総合とBSから取材を受けました。
下記は報道された時の写真

NHK2アレッポの石鹸

NHK1アレッポの石鹸

NHK BS 2016年に世界のトップニュースの取材を受けた時の写真。

アレッポの石鹸PS1

アレッポの石鹸PS1


アレッポの石鹸NHKPS1

アレッポ情勢が報道されることにより、リピーターのお客様だけでなく石鹸の事を知らなかった方々までもがアレッポの石鹸を買い求めるようになり、当社の1年分の在庫が約2週間で無くなる勢いでした。
しかし、バラカートさんがトルコに避難する前にありったけの石鹸を日本に出荷してくれた事が功を奏しました。
トルコに避難したバラカートさんは1年がかりで見つけた石鹸の廃工場を借り、試作品作りを始めたとの知らせは、石鹸がまた日本に入ってくるという喜びもありましたが、彼らが希望を持って前向きに動き出した事が家族の心配や悩みを持っていた私自身が勇気を貰いました。
石鹸の在庫はギリギリの状況でしたがトルコで製造したアレッポの石鹸第1号が何とか日本に届き、当社は欠品という事態を回避できました。

アレッポで生産していれば掛からなかった経費がこのような事態になった事でずいぶんと掛かりました。
トルコはアレッポよりも物価が高いうえに賃貸の工場では何をするにもトルコ語の通訳が必要なのでバラカートさんのストレスは計り知れません。
当社が出来る事はこの負担を当社が負う事で何とか石鹸を作り続けられるよう、またより多くの日本の皆さんに難民となってアレッポの石鹸を作り続けている職人達の事を知ってもらうためのサポートを続ける事でした。
そのためにも、品質を落とさない事、値上げをしない事、ネットでの販売に力を入れ幅広く認知してもらう努力を職人たち側と日本の当社側で行ってきました。

前にも書きましたが、私はシリアと日本の市民レベルで交流のかけ橋なるような仕事をしたいと思っています。
石鹸を売る事で単にモノとお金のやり取りだけではなく、シリアの石鹸職人の思いや今置かれている状況も伝えたい。また、日本で石鹸を使ってくれている皆さんの思いも石鹸職人に伝える事が出来ている事を嬉しく思います。

時折、心ないコメントを見つける度に悲しくなる事もあります。ですが、日本から遠く離れ今も困難に立ち向かっている難民達を思うと小さな悩みに過ぎません。これからもあきらめずに頑張ろうと思っています。
何よりアレッポの石鹸職人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。そしてバラカートさんの商品を認めて下さった日本のお客様にも心より感謝しています。

有限会社クロスロードトレーディング
代表取締役 ガザール 勇

アレッポの石鹸Paris2

アレッポの石鹸Paris1

●うれしい発見●

先日、ガジアンテップの石鹸工場を訪問しました。
途中、イスタンブールとパリに立ち寄りました。
お土産屋さんやコスメショップにいつも立ち寄るのですが、その時アレッポの石鹸が売られていました。
アラビア語のスタンプはそれぞれの工場の刻印で、難民や移民となったアレッポの石鹸職人が今生きている国で頑張っているんだなと伝わってきます。
希望を言えば故郷のアレッポに戻って昔のように石鹸作りをしたいと職人達は思っています。
その平和が戻るまでは異国で頑張って石鹸作りを続けて欲しいと願います。

アレッポの石鹸トルコ

アレッポの石鹸トルコ2

トルコでのアレッポの石鹸職人の労働条件

アレッポから避難し、2015年よりバラカート社はトルコでの製造を本格化しました。
その時はトルコ語が話せる通訳を雇い、工場設立に伴う許可申請など簡単なことではありませんでした。
シリアに比べ物価が高く工場設立の経費も大きな負担でした。
しかし、石鹸作りを再開したいという強い思いで、トルコでの複雑で諸手続きは大変ではありましたが、「きちんと努力すれば正当な結果が得られることが嬉しかった」とバラカート社代表は話します。
以前はビジネスに必要なあらゆる手続きには独特な経費(コネ等)が必要でした。  この経費が高く大きな負担でした。
しかし、トルコでは事務的な手数料には明細があり、多くの民主的な国であれば当然なことです。
理不尽な理由から受付けないということもありません。

トルコでは難民であったとしてもトルコ市民とほぼ同等な権利を与えてくれています。
また、EUを手本とし、労働者の権利や雇用側の義務を課されてもいます。
中でも労働者に対する社会保険の加入の義務はシリア人にとっては驚きです。
初めて触れる民主的な国での義務と権利にはお金が掛かりますが、広く平等に扱われることを納得し受け入れて操業しています。

以前に比べ嬉しいのは労働者に良い賃金を支払えること、自分達にとっても有意義にその収入を使えること、そして難民キャンプにいるシリア人のために自分達の働いたお金を寄付できることに何より誇りが持てると話します。

特定の者だけが得をするような不平等を長い間見せられてきた職人達は、このような当たり前のことでも自由で幸せなことだと感じています。